マンション理事長の仕事
新たに理事長になられて大変な役を引き受けたと悩んでいる方もいることでしょう。理事長は区分所有法第3条により区分所有者の団体に設置が許されている管理者ですが、区分所有法自体には管理者とは、なに者かの定義条項はありませんが、他の条文などから定義するとすれば、理事長におきかえることができます。
「管理者とは集会(総会)によって選任・解任され、区分所有者の代理人として共用部分等を保存し、集会(総会)の決議事項を実行し、規約で定めた行為をする権利と義務をもった者」この第4節 第25条で管理者の選任・解任に関して規定し、第26条に管理者の権限を、定めております。
マンション管理組合理事長の仕事はなんでしょうか?...
◎ 管理組合の理事長になると、理事会を先導して提起された問題を整理・検討し、また管理会社とも連絡・交渉を重ねながら、さまざまな仕事をこなさなければなりません。
◎ 理事長に就任したらまず何をすべきか・・・新任の理事長さんの参考になればと思い、大橋マンション管理士からいくつかアドバイスをさせていただきます...
【理事長になったら】 | |
---|---|
Q | 理事長になりました。まず何をしたらいいでしょうか? |
A. | まず2カ月は理事会での周りの皆さんや管理会社の動きを観察することから始めます。 |
Q. | 何故ですか? |
A. | いきなり張り切ると、管理会社のフロントマンと摩擦を生じることがあります。彼(フロントマン)の動き方と他の理事の動向を確かめたほうが賢明です。 マンション管理士大橋の長年の経験です。 |
Q. | 色々改革をしたいのですが、賛成者がすくないので、腰が引けそうです。 |
A. |
まず、協力者を探すことから始めることです。協力する方がいなければ、孤立して最後まで苦労します。 |
Q. |
何故ですか? |
A. |
皆さん早く任期がきてお役御免になりたい方が大勢です。重要な案件を反対されないようにするには、味方を沢山作ることです。そうすれば、聞く耳を持つようになります。 |
【管理費削減と管理会社変更】 | |
---|---|
Q. | 管理費が他所より高い金を払っています。適正価格にしたいのですが? |
A. |
手順を踏みながら進めてみてください。 ⇒《管理会社変更》をご参照ください。 ① 駐車場費用が別で1万5千円以上であれば割高です。 |
Q. | どうすれば安くできるのでしょうか? |
A. | 今の管理委託契約書の内容で他の管理業者に(4社)合見積りを取ることです。 |
Q. | 今の業者はどうすればいいのでしょうか? 最初は今の業者に値下げ交渉をするべきです。 |
A. | ① 同じように他の2社同様、今一度会社で見直しをお願いしますと再依頼しましょう。 ② 但し、上記2社が今の管理会社より安いことが確認できてから行動を取ることです。 ③ 上記の合見積りの動きを今の管理会社に察知されないようにすることが重要です。 |
Q. | 次はどうすればいいでしょうか? |
A. | そこまでやれたのであれば、その後はマンション管理士に依頼したほうが賢明です。 |
Q. | どのような理由からですか? |
A. | 内部の理事長が独自に立ち入りすぎると、現管理会社から妨害工作が入ったり、悪くするとマンション住民の間で噂が一人歩きし、有ることないことで誹謗中傷を受けたりする場合があります。 フロントマンにとっては、仕事が他の管理会社に行くこと自体、能力を会社から問われることになるので、当然ながら食い止めにかかります。 |
Q. | 費用はどれくらいかかるのでしょうか? |
A. | そこまでやっているのであれば減額価格の30パーセント位で済みそうです。 ⇒ 《費用について》のページ参照。 |
Q. | もっと安くはできないのでしょうか? |
A. | 管理会社変更はリスクの有る仕事です。目に見えないコストも含め、プロの仕事としてこの程度の費用は要求されるでしょう。日建てや時間でお願いすると、相手も力が入りづらく、不成功に成る確率が大きくなります。 |
【理事会の運営】 | |
Q. | 他の理事に理事会にもっと出てきて欲しいが中々出てこない。 |
A. | 我々日本人は、他人のために動こうとする習慣が近年になってようやく芽生えてきました。しかしまだ大方は理事の1年間、平穏無事に早く任期満了となるのを願っている方々がほとんどです。従ってあまり周りにとらわれることなく適切な議題を決めてまい進すれば、手伝う理事も増えてくるはずです。 50歳くらいにならないと、企業戦士であるうちは中々早く帰宅できなくて、休日になればゆっくりしたくなる人が多いのも活発にならない理由のひとつです。 ⇒ 《管理組合理事会の支援》のページ参照。 |
【大規模修繕】 | |
Q. | 大規模修繕の時期が近づいてきました。内部だけの人間で進めようとしておりますが、その件に関しては如何でしょうか? |
A. | 専門家を入れて検討したほうがいいと思います。 |
Q. | 何故ですか? |
A. | マンション内は色々な方がいて、また幅広い年代層にもなります。頑張った分だけほめてくれればやりがいがあるのですが、そこには『あいつがあんなに頑張るには陰で悪いことをしているからでは・・・』などと必ずそのように取る人間が出てくることも事実です。 それを跳ね返すパワーが有るのならご自分たちでやることのほうがメリットは有ります。 |
Q. | どのようなコンサルがいいでしょうか? |
A. | わりと大きい設計事務所又は大きいコンサルタント会社は遠慮したほうがいいでしょう。 |
Q. | 何故ですか? |
A. | 数社で合い見積りを取る際に幹事会社を決められるケースを多々見てきました。 業者選定及び見積参加業者もご自分たちで選定するならば、大きい設計事務所またはそれなりのコンサルでもいいと思います。但し大きい設計事務所又は大きいコンサルタント会社に業者選定を依頼すれば、コンサルタント会社の上層部の意向が入りやすくなるのも事実です。 |
Q. | お勧めは有りますか? |
A. | 僭越ながら、当大橋マンション管理士事務所がお手伝いさせて頂きます。あるいは、こじんまりした改修工事の経験豊富な設計事務所をお勧めします。弊社をおすすめする理由は本ホームページで経験と実績をご覧いただければご納得いただけると思います。必ず実績の検証と本人面接は必要です。 ⇒《大規模修繕》のページ参照。 |
Q. | 施工業者を決める際の公募の方法を教えて下さい。 |
A. |
新聞公募が一般的ですが、公募の際色々と制限をつけると、業者もしぼられ、大手の会社しか応募しないしてこないケースも多々あります。制限はコンサルタントと相談して決める事をお勧めします。 |
【その他】 | |
Q. | 築20年経過の理事長に成りました。理事長として特に仕事が有りません。 |
A. | 現状の規約が標準管理規約と、どこが違うか一通りチェックをしてみてください。 |